初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「彼氏公認なんだし、いいんじゃん」

のんきにそう言ってからユキはお酒に口をつける。
と、とりあえず。坂下くんが断れば済む事だしね?

良くわからないドキドキする鼓動を軽く押さえて坂下くんの答えを待つ。

「いいですよ」

え?なにそのスマイル。

坂下くんは私を見て微笑むと、先輩に向かって「先輩のご指名ですから」といって笑った。

「ん、さんきゅ、坂下。クルミ、よかったな?」

「でもっ、」

お参りなんて行かなくていいし、おみくじなんて引かなくてもいい。
隠れて会うのとは違う、公認なのに何故か罪悪感。

先輩の意図がわからない。

この場で問い詰めてしまいそうになって、大きく息を吸ってそれを想いとどまる。
だけど、さすがになんか言ってしまいそう。

「ちょっと、化粧室行ってくる」

「あー私もー」

私が席を立つと、ノリちゃんがついてきた。
当然、今の事。私に聞くつもりなんだろうけど、こっちが聞きたいぐらいだ。


「クルミ、どういうことよっ」

「わかんないってば」

「わかんないって、なによ?先輩と喧嘩でもした?」

「してないよ、むしろ今ラブラブのはずなんだけど」

そうだよ。この前あんなに幸せだって、俺のになってって言ってくれたのに。

「先輩に好きって言ったばかり……なのに」
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