初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
あの日私は“先輩の”になったはずだった。
いや、はずじゃなくて確かに先輩のモノになった。

二人の想いを確かめ合った。
愛されてる。そう感じてた。

そんな先輩に気持ちを返したくて、今言える最上級の言葉で伝えた。

先輩が好きだと―――。


「だって先輩とヤったんでしょ?」

「その言い方はどうかと思うけど……」

「何であんな事言いだすの?」

「……わかんない」


二泊三日になるはずだった先輩のお家へのお泊り。それはあっけなく次の日の朝、打ち切られた。

朝起きると下半身に鈍い痛みを感じた。
だけどそれは久しぶりにそういう事をしたからだと思ってた。でもそうじゃなくて、予定よりも一週間近くも早くにソレが訪れてた。


「なにそれ、せっかくのお泊りなのになんでそんな事になってんのよ!」

「し、知らないから。私だって予定外だったんだから」

先輩は午後になると私を家に送ってくれて、夕方まで一緒に居てくれた。
別に病気でもなんでもないから大丈夫なのに、先輩が異常に心配するから申し訳なくなってしまった。

「ほんとクルミたちって、タイミング合わないよねぇ」

ノリちゃんの言うとおりだ。
ここまで合わないのって珍しいと思う。

それに、心も体も先輩のモノになったつもりでいたのに、先輩は何を考えて坂下くんと近付けるような事をするんだろう?

繋がったのは体だけで、心は前よりも離れてしまったんだろうか。
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