初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
取り戻せない時間
待ち合わせたのは原宿駅。
うちから30分もあれば着くというのに、落ち着かずに一時間も前に家を出た。
だいたい落ち着かなかったのは今日だけじゃなくて、あの時からずっと……
新年会の翌日に坂下くんからメールが届いた。
イメージ通りのシンプルな文面。
だけどそれによって坂下くんとのお参りに行くという事が決定的になってしまった。
*****
金曜日の夜を先輩の家で過ごした。翌朝目覚めて起きようとしたら先輩の腕にそれを阻止され、またベッドに引き戻された。
冬の朝、休日、布団の誘惑、それと温かなぬくもり。
もちろん抗えるわけもなく。それにまんまと嵌った私の本日二度目の目覚めはけだるさの中、ゆるやかに拘束された腕に包まれていた。
「クルミ、おはよ」
「…おはようっていうの二度目です。それに、」
チラリと見上げるとベッドサイドのデジタル時計がもうすぐお昼だと知らせてた。
「はは、もう昼だな」
「……朝ご飯食べそこねちゃったじゃないですか」
拗ねたようにそう言うと、
「それじゃ、着替えてランチでもいこうか」
それも素敵だけど、もう少しこの腕に拘束されててもいいかななんて思うのは、きっと寒さのせい。
そんなとき、私のスマホのメールの受信音が鳴った
うちから30分もあれば着くというのに、落ち着かずに一時間も前に家を出た。
だいたい落ち着かなかったのは今日だけじゃなくて、あの時からずっと……
新年会の翌日に坂下くんからメールが届いた。
イメージ通りのシンプルな文面。
だけどそれによって坂下くんとのお参りに行くという事が決定的になってしまった。
*****
金曜日の夜を先輩の家で過ごした。翌朝目覚めて起きようとしたら先輩の腕にそれを阻止され、またベッドに引き戻された。
冬の朝、休日、布団の誘惑、それと温かなぬくもり。
もちろん抗えるわけもなく。それにまんまと嵌った私の本日二度目の目覚めはけだるさの中、ゆるやかに拘束された腕に包まれていた。
「クルミ、おはよ」
「…おはようっていうの二度目です。それに、」
チラリと見上げるとベッドサイドのデジタル時計がもうすぐお昼だと知らせてた。
「はは、もう昼だな」
「……朝ご飯食べそこねちゃったじゃないですか」
拗ねたようにそう言うと、
「それじゃ、着替えてランチでもいこうか」
それも素敵だけど、もう少しこの腕に拘束されててもいいかななんて思うのは、きっと寒さのせい。
そんなとき、私のスマホのメールの受信音が鳴った