初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
視線を感じたのか坂下くんもそこに目線を落とす。
少し眉を下げたあと、「あぁこれ」と言って握っていた左手をテーブルの上でパッと開いた。
「……元には戻せなかったよ。」
誰かに聞かせるというよりも、ただ呟くそうに坂下くんは言った。
「え、」
元には戻せない?関係がって事?
それって……。
「良かったら、もう一軒付き合ってよ」
この場の雰囲気を変えるように、明るい声でそう言った後、店内の時計を見て「まだ時間も早いし」と続ける。
お腹は満たされた。今はデザートを食べるようなそんな雰囲気でもない。
それにこのお店は飲み続けるような感じじゃないから場所を変えるというのは当然の話。
だけどこのタイミングでそれを言うって事は、やっぱりもっと深い話になるという事なんだろうか。
あの時も坂下くんは少し強引に私を誘った。
だけど今日は、きっともう答えが出てしまっている状況で、私は何を言えばいいんだろうか。
今日はとことんまで付き合うよなんて友達が言うような励ましの言葉は言えない。だけどせめて、
「……わかった」
私は坂下くんの今置かれている現実を受け止めるためにそう答えた。
それを聞く事で自分がどういう状況に置かれるかなんて考えもせずに。
少し眉を下げたあと、「あぁこれ」と言って握っていた左手をテーブルの上でパッと開いた。
「……元には戻せなかったよ。」
誰かに聞かせるというよりも、ただ呟くそうに坂下くんは言った。
「え、」
元には戻せない?関係がって事?
それって……。
「良かったら、もう一軒付き合ってよ」
この場の雰囲気を変えるように、明るい声でそう言った後、店内の時計を見て「まだ時間も早いし」と続ける。
お腹は満たされた。今はデザートを食べるようなそんな雰囲気でもない。
それにこのお店は飲み続けるような感じじゃないから場所を変えるというのは当然の話。
だけどこのタイミングでそれを言うって事は、やっぱりもっと深い話になるという事なんだろうか。
あの時も坂下くんは少し強引に私を誘った。
だけど今日は、きっともう答えが出てしまっている状況で、私は何を言えばいいんだろうか。
今日はとことんまで付き合うよなんて友達が言うような励ましの言葉は言えない。だけどせめて、
「……わかった」
私は坂下くんの今置かれている現実を受け止めるためにそう答えた。
それを聞く事で自分がどういう状況に置かれるかなんて考えもせずに。