初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
初恋の記憶
お店から一歩外に出ると、アルコールですっかり温まったはずの体はすぐにその温度を下げた。
「さむっ」
つい、そんな言葉が出て首のストールを口元まで巻きなおす。
その様子を見て坂下くんがプッと軽くふきだすように笑う。
「え?何?何か変?」
何故笑われたのかわからなくて、目を瞬かせて問う。
「いや、なんかあの頃も胡桃沢さん、マフラーぐるぐる巻きにしてたよなと思って」
あの頃もマフラーをぐるぐる巻き……
記憶をたどってみる。
部活の帰り道。
帰る方向が一緒の坂下くんとは度々見かける事があった。
もちろん声をかける勇気も一緒に帰る事も出来ずに居たけど。
冬の夕暮れは早い。
部活を終えて帰る頃にはとっぷりと日も暮れて、外の温度もかなり冷え込んでいた。
当時からあまり肉の付いていなかった私は、寒さが身にしみてコートの上におしゃれでも何でもなく防寒のためにマフラー(しかも毛糸の)をしっかりと巻いていた。
あぁあの頃からあらゆる所のお肉がなかったけど、今となっては余分な所には肉がつき始めてる。肝心な所には一向につく事もなくこの年になった気がする。
きっとその頃の私を思いだして坂下くんは笑ったのだと行きついた。
というか、あの頃の私を坂下くんは覚えていてくれているの?
「さむっ」
つい、そんな言葉が出て首のストールを口元まで巻きなおす。
その様子を見て坂下くんがプッと軽くふきだすように笑う。
「え?何?何か変?」
何故笑われたのかわからなくて、目を瞬かせて問う。
「いや、なんかあの頃も胡桃沢さん、マフラーぐるぐる巻きにしてたよなと思って」
あの頃もマフラーをぐるぐる巻き……
記憶をたどってみる。
部活の帰り道。
帰る方向が一緒の坂下くんとは度々見かける事があった。
もちろん声をかける勇気も一緒に帰る事も出来ずに居たけど。
冬の夕暮れは早い。
部活を終えて帰る頃にはとっぷりと日も暮れて、外の温度もかなり冷え込んでいた。
当時からあまり肉の付いていなかった私は、寒さが身にしみてコートの上におしゃれでも何でもなく防寒のためにマフラー(しかも毛糸の)をしっかりと巻いていた。
あぁあの頃からあらゆる所のお肉がなかったけど、今となっては余分な所には肉がつき始めてる。肝心な所には一向につく事もなくこの年になった気がする。
きっとその頃の私を思いだして坂下くんは笑ったのだと行きついた。
というか、あの頃の私を坂下くんは覚えていてくれているの?