初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
目の前に飲み物を置かれると坂下くんはやっと顔を上げて、
「胡桃沢さんは覚えてるかな?」
と唐突に聞いてくる。だけど声はさっきと違って優しい。
「?」
だけど、なにを指して覚えてるなのかわからなくて顔に疑問符を張り付けたまま首をかしげる。
「さっきの胡桃沢さん見たら、あの頃の事色々と想い出してた」
さっきは笑いながら可愛かったと言ったけど、あの頃坂下くんの視界に私なんて入っていないと思っていたから意外。
「ここの所みんなと会う時間が増えたから懐かしくて、この前実家に帰った時にアルバム見てきた」
ずっと心の奥に閉まっておいたソレをもう一度目にするために。
機会があったら聞きたいと思ってた。そのチャンスは今何じゃないだろうか。
「……アルバム。」
そう言ったきり黙りこみ、またワインに口をつけた坂下くん。
またさっきみたいに話しづらい雰囲気にしたくなくて明るい声で話を続ける。
「うん、当たり前なんだけどみんな子供で。あの頃は自分はもっと大人のつもりだったのにね、なんか振り返ると…――」
「子供だよ、今思っても呆れかえるほど子供過ぎて後悔しかない」
「え、」
呟くように語られる坂下くんの言葉。
また私は坂下くんが後悔を口にするような事を思い出させてしまったのか。
「胡桃沢さんは覚えてるかな?」
と唐突に聞いてくる。だけど声はさっきと違って優しい。
「?」
だけど、なにを指して覚えてるなのかわからなくて顔に疑問符を張り付けたまま首をかしげる。
「さっきの胡桃沢さん見たら、あの頃の事色々と想い出してた」
さっきは笑いながら可愛かったと言ったけど、あの頃坂下くんの視界に私なんて入っていないと思っていたから意外。
「ここの所みんなと会う時間が増えたから懐かしくて、この前実家に帰った時にアルバム見てきた」
ずっと心の奥に閉まっておいたソレをもう一度目にするために。
機会があったら聞きたいと思ってた。そのチャンスは今何じゃないだろうか。
「……アルバム。」
そう言ったきり黙りこみ、またワインに口をつけた坂下くん。
またさっきみたいに話しづらい雰囲気にしたくなくて明るい声で話を続ける。
「うん、当たり前なんだけどみんな子供で。あの頃は自分はもっと大人のつもりだったのにね、なんか振り返ると…――」
「子供だよ、今思っても呆れかえるほど子供過ぎて後悔しかない」
「え、」
呟くように語られる坂下くんの言葉。
また私は坂下くんが後悔を口にするような事を思い出させてしまったのか。