初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
彷徨う想い
エスカレーターを早歩きで昇り、改札が見えた後すぐにその姿が目に入った。前を歩いている人を急かすようにヒールの音を立てて歩く。
早く、早く、
一秒でも早くそのぬくもりに触れたかった。
カシャン―――
改札を抜けると、目の前にいるその姿に抱きつきたい気持ちを抑えて、横に並ぶとスッと腕をからめてぴったりと寄り添った。
ハァー
大きく息を吐くと、
「そんなに急がなくてもよかったのに」
「ん、でも……」
会いたかった。
触れたかった。
確認したかった。
自分の彼が誰なのかを―――。
今から行ってもいいかと問うメールの返事に「どうしたの?」という質問はなかった。
その代りに
【気をつけておいで、駅まで迎えに行くから】
その言葉が返ってきた。
今日誰と会っていたかもわかっていて、
あれから様子が変だという事もたぶんわかっていて、
それでもなお、私に問う事はない。
聞かれない事をいい事に私はそれに甘えている。
寄り添った腕がひんやりしている。
もしやと思い、その手を一度解き頬に手を伸ばす。
ひんやりどころじゃない、良く見れば鼻は赤いし頬はかなり冷たい。
「一体、いつから待ってたんですか?」
早く、早く、
一秒でも早くそのぬくもりに触れたかった。
カシャン―――
改札を抜けると、目の前にいるその姿に抱きつきたい気持ちを抑えて、横に並ぶとスッと腕をからめてぴったりと寄り添った。
ハァー
大きく息を吐くと、
「そんなに急がなくてもよかったのに」
「ん、でも……」
会いたかった。
触れたかった。
確認したかった。
自分の彼が誰なのかを―――。
今から行ってもいいかと問うメールの返事に「どうしたの?」という質問はなかった。
その代りに
【気をつけておいで、駅まで迎えに行くから】
その言葉が返ってきた。
今日誰と会っていたかもわかっていて、
あれから様子が変だという事もたぶんわかっていて、
それでもなお、私に問う事はない。
聞かれない事をいい事に私はそれに甘えている。
寄り添った腕がひんやりしている。
もしやと思い、その手を一度解き頬に手を伸ばす。
ひんやりどころじゃない、良く見れば鼻は赤いし頬はかなり冷たい。
「一体、いつから待ってたんですか?」