初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
先輩の腕はこんなにも温かくて。
―――温めて欲しかったのは私の方だと知る。
きつく抱きついた私に先輩はまるで子供をあやすようにゆっくりと背中をたたく。
ポンポン―――
その音がまるで大丈夫だよっていってくれているようで。ゆっくりと背中に伝わる熱がすべてを溶かしていくようで。
「クルミ、とりあえずコート脱ごうか」
優しい声でそう言われると、抱きついていた腕の力が抜ける。
先輩は力の抜けたその手を取ると「クルミは案外甘えん坊だね」と言うと少し腰を落としてから下から私の顔を見上げるようにして見る。その瞳は心配そうに私を見つめていて『何があったの?』と言っているようだ。
「……好き」
なんでそんな言葉を言ったのか。
自分さえ分からないけど、今それを確認しないといけないようなそんな気もする。
「クルミがそんな事言ってくれるのは嬉しいんだけど、」
と一度言葉を切ってから、
「俺さ、お酒飲んでもいいかな?」
あまりにも話に繋がりが見つからなくて、
「お、酒?」
「うん。今日飲んでないんだよね」
お酒好きの先輩が、お休みの日の深夜間近になっても飲んでいないなんて。
―――温めて欲しかったのは私の方だと知る。
きつく抱きついた私に先輩はまるで子供をあやすようにゆっくりと背中をたたく。
ポンポン―――
その音がまるで大丈夫だよっていってくれているようで。ゆっくりと背中に伝わる熱がすべてを溶かしていくようで。
「クルミ、とりあえずコート脱ごうか」
優しい声でそう言われると、抱きついていた腕の力が抜ける。
先輩は力の抜けたその手を取ると「クルミは案外甘えん坊だね」と言うと少し腰を落としてから下から私の顔を見上げるようにして見る。その瞳は心配そうに私を見つめていて『何があったの?』と言っているようだ。
「……好き」
なんでそんな言葉を言ったのか。
自分さえ分からないけど、今それを確認しないといけないようなそんな気もする。
「クルミがそんな事言ってくれるのは嬉しいんだけど、」
と一度言葉を切ってから、
「俺さ、お酒飲んでもいいかな?」
あまりにも話に繋がりが見つからなくて、
「お、酒?」
「うん。今日飲んでないんだよね」
お酒好きの先輩が、お休みの日の深夜間近になっても飲んでいないなんて。