初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
聞こえてくるのはお互いの吐息だけ。冷たかった先輩の身体は、すでに熱を帯びている。
こんな時でさえ、先輩は優しくて、もっと自分本位にしてくれてもいいのになんて思う。
「クルミ?」
いつもよりもワントーン低い声が鼓膜を震わせる。
「?」
目線だけでその声に答えると、
「今日のクルミ、ヤバイ」
ヤバイ?先輩の表現って時々わからない事がある。
「……先輩って国語苦手でしたっけ?」
そんな事を冷静に聞く私もどうかしてるけど。
女子力足らないのはもう周知の事実だから、正直に聞いてみた。
ベッドの上で向き合うようにしてこのやり取りをしている私たち。
「クルミさ、この場面でそれ聞いちゃう?」
先輩をたくさん感じたくて、
その熱も心も全部受け止めたくて、そう考えたらいつの間にか夢中になってた。
その私を先輩がヤバイと言うなら、
「……ごめんなさい。だって…っ―――」
そうさせているのは先輩だと伝えたかったのに、その言葉は先輩の口付けに呑みこまれて、
「悪くないよ、イイって言ってんの」
意味は違ってるけど、先輩がイイと言うならば。
それに呑まれたまま、溶けるまで委ねてみるのもいい。
こんな時でさえ、先輩は優しくて、もっと自分本位にしてくれてもいいのになんて思う。
「クルミ?」
いつもよりもワントーン低い声が鼓膜を震わせる。
「?」
目線だけでその声に答えると、
「今日のクルミ、ヤバイ」
ヤバイ?先輩の表現って時々わからない事がある。
「……先輩って国語苦手でしたっけ?」
そんな事を冷静に聞く私もどうかしてるけど。
女子力足らないのはもう周知の事実だから、正直に聞いてみた。
ベッドの上で向き合うようにしてこのやり取りをしている私たち。
「クルミさ、この場面でそれ聞いちゃう?」
先輩をたくさん感じたくて、
その熱も心も全部受け止めたくて、そう考えたらいつの間にか夢中になってた。
その私を先輩がヤバイと言うなら、
「……ごめんなさい。だって…っ―――」
そうさせているのは先輩だと伝えたかったのに、その言葉は先輩の口付けに呑みこまれて、
「悪くないよ、イイって言ってんの」
意味は違ってるけど、先輩がイイと言うならば。
それに呑まれたまま、溶けるまで委ねてみるのもいい。