初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
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週明けの月曜日、ノリちゃんのメール攻撃に負けて会う約束をした。
「ク~ルミ、ここ」
待ち合わせたお店に行くと、先に来ていたノリちゃんがテーブルについてた。そこにはお通しとは違うお皿がすでに並んでいる。店員さんにビールを注文すると、コートを脱いで席に座る。
「ノリちゃん……少しぐらい待てなかった?」
「うん、全然待てない」
間髪いれずに、にこやかに返事が返ってきた。
「なにそれっ」
少し呆れてそう言うと、
「だってさ、聡と一緒だと思いっきり飲めないんだもん」
「なぁに?未だに猫かぶってるの?」
「やだなぁ、違うわよ。心配でゆっくり飲めないの」
「あぁ、なるほど」
渋谷での木村の醜態を思い出し、妙に納得する。
木村は楽しいとお酒が進むらしく、だけどすぐに潰れちゃうからノリちゃんが心配だってことか。
「つぶれたらクルミ、介抱してね?」
ノリちゃんはウインクと共に、手元のビールを飲み干した。
結局ノリちゃんは私の話に託けて、飲みたかっただけなのか。
ノリちゃんの二杯目と私の一杯目のビールが届けられると二人で乾杯した。
「とりあえず、乾杯」
「乾杯。今日は月曜なんだし、飲み過ぎないでよね」
「はいはい、わかったわかった」
そう言って、新しく来たビールを半分まで飲む。
……どの辺がわかったのか