初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
コーヒーを目の前に置き、憮然とした態度でノリちゃんを見る木村。
「で?別れたって何?」
いきなり直球。いきなり本題。
木村にはまず場を和ませるなんて選択肢はないらしい。
「だから、ね?クルミ?」
って、そこで私に話をふられても……困るけど。
チラリと視線をこちらに投げかけて、答えを促す木村に、
「あーうん、だからね。私が聞いたのは届けにサインしたって話だけなんだけど……」
「はぁ?!なんだよ、それ」
って、こっちもなんだよそれって感じなんだけど。なのに何で奥さんと一緒にいるの?って。
「一応、本人の口から聞いてるからそこまでは事実だけど……」
「だけど?」
「……別れたのかどうかまでは、わかんない」
そうだ。私が勝手に別れたって思ってただけで。本当にサインしただけで書類を渡してないのかもしれない。
「……聞いてねーよ」
「あ、でもね。この前たまたまそんな話になっただけだから」
一応フォローしてみる。だけど今の木村にそれは耳に入らないようで。
―――ガタッ
たった今座ったばかりの席を急に立って「ちょい電話してくる」と言って外に出ていった。
これはもう、本当に坂下くんに電話しに行ったのかもしれない。
「で?別れたって何?」
いきなり直球。いきなり本題。
木村にはまず場を和ませるなんて選択肢はないらしい。
「だから、ね?クルミ?」
って、そこで私に話をふられても……困るけど。
チラリと視線をこちらに投げかけて、答えを促す木村に、
「あーうん、だからね。私が聞いたのは届けにサインしたって話だけなんだけど……」
「はぁ?!なんだよ、それ」
って、こっちもなんだよそれって感じなんだけど。なのに何で奥さんと一緒にいるの?って。
「一応、本人の口から聞いてるからそこまでは事実だけど……」
「だけど?」
「……別れたのかどうかまでは、わかんない」
そうだ。私が勝手に別れたって思ってただけで。本当にサインしただけで書類を渡してないのかもしれない。
「……聞いてねーよ」
「あ、でもね。この前たまたまそんな話になっただけだから」
一応フォローしてみる。だけど今の木村にそれは耳に入らないようで。
―――ガタッ
たった今座ったばかりの席を急に立って「ちょい電話してくる」と言って外に出ていった。
これはもう、本当に坂下くんに電話しに行ったのかもしれない。