初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
ノリちゃんたちと駅前で別れ、私たちも改札に向かう。
その歩みはいつもよりゆっくりで。
「あの、帰る所ごめんね、木村が捕まえちゃって」
―――それで、メールってなんだったの?
それは言葉になって坂下くんに届く事はなく。
「いや、まだ帰るつもりじゃなかったから」
それってどういうことなのか。
木村が言うには坂下くん、駅に向かってたって言ってたけど。
「……そう」
―――それで私にメールしてきてたの?
頭には言葉はたくさん浮かぶのに、どうしても口にできない。
「あの、さ」
「あの」
二人で同時に話してしまって「えと?なに?」と、さらにお互い譲り合う。
結局は坂下くんの方が先に「ごめん、さっきメールした」と。
良かった。私が聞こうとしていた事を坂下くんが言ってくれて。
「あ、うん、そうみたいだったけど。気付いたのさっきで。私、まだ見てない」
受信を確認したのが坂下くんのいる前だなんて、本当になんて間抜けなんだろう。
「いや、大したことは書いてないよ、あぁでも……」
言いづらいからメールをしたのだったら、
「あの?今見たほうがいい?」
「いや、今から少し時間もらえないかと思ってメールしたんだ」
今からって、もう十分遅い時間で。
もし私が、家にいたらどうするつもりだったんだろうか。
このタイミングで、私に何を話すつもりなのか
その歩みはいつもよりゆっくりで。
「あの、帰る所ごめんね、木村が捕まえちゃって」
―――それで、メールってなんだったの?
それは言葉になって坂下くんに届く事はなく。
「いや、まだ帰るつもりじゃなかったから」
それってどういうことなのか。
木村が言うには坂下くん、駅に向かってたって言ってたけど。
「……そう」
―――それで私にメールしてきてたの?
頭には言葉はたくさん浮かぶのに、どうしても口にできない。
「あの、さ」
「あの」
二人で同時に話してしまって「えと?なに?」と、さらにお互い譲り合う。
結局は坂下くんの方が先に「ごめん、さっきメールした」と。
良かった。私が聞こうとしていた事を坂下くんが言ってくれて。
「あ、うん、そうみたいだったけど。気付いたのさっきで。私、まだ見てない」
受信を確認したのが坂下くんのいる前だなんて、本当になんて間抜けなんだろう。
「いや、大したことは書いてないよ、あぁでも……」
言いづらいからメールをしたのだったら、
「あの?今見たほうがいい?」
「いや、今から少し時間もらえないかと思ってメールしたんだ」
今からって、もう十分遅い時間で。
もし私が、家にいたらどうするつもりだったんだろうか。
このタイミングで、私に何を話すつもりなのか