初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
車は首都高を抜け、東北に向かう。
寒いのにわざわざ北に行くのは、私が思い付きで言った一言を叶えてくれようとしているから。
先輩の誕生祝いだというのに、これじゃまるで私の方が祝ってもらってるみたいだ。
「あの、私も運転……」
「ムリ」
即答の先輩に、少し怯んで言葉を続ける事が出来ない。
「クルミ、前に運転したのいつ?」
「……えと、」
思い出せないぐらい前の事で、しかも高速道路なんて教習以来運転していない。
「いいよ、大丈夫。」
先輩はふわりと微笑んでからまた前を向いた。
その笑顔が私を癒してくれたのに。
今はそれを見ることさえつらい。
「まだちょっとかかりそうだし、クルミは寝てていいよ」
前を見たまま、私を気遣う言葉を言う、
「でも、」
「クルミ、目の下にクマできてるし。それに……今夜寝れると思ってるの?」
「ちょ、なにっ言って……」
ハハハって笑いながら運転する先輩は、私をからかうように言ってるけど本当は何よりも一番私の事を考えてくれているから。
胸が痛い。先輩の優しさが突き刺さるようだ。
だけど、このまま先輩と会話を続けられそうになくて。
「昨日は遠足前の子供みたいに寝れなかったんです。じゃあ、ちょっとだけ目つぶりますね」
こんなので本当に私は言いだせるんだろうか。
寒いのにわざわざ北に行くのは、私が思い付きで言った一言を叶えてくれようとしているから。
先輩の誕生祝いだというのに、これじゃまるで私の方が祝ってもらってるみたいだ。
「あの、私も運転……」
「ムリ」
即答の先輩に、少し怯んで言葉を続ける事が出来ない。
「クルミ、前に運転したのいつ?」
「……えと、」
思い出せないぐらい前の事で、しかも高速道路なんて教習以来運転していない。
「いいよ、大丈夫。」
先輩はふわりと微笑んでからまた前を向いた。
その笑顔が私を癒してくれたのに。
今はそれを見ることさえつらい。
「まだちょっとかかりそうだし、クルミは寝てていいよ」
前を見たまま、私を気遣う言葉を言う、
「でも、」
「クルミ、目の下にクマできてるし。それに……今夜寝れると思ってるの?」
「ちょ、なにっ言って……」
ハハハって笑いながら運転する先輩は、私をからかうように言ってるけど本当は何よりも一番私の事を考えてくれているから。
胸が痛い。先輩の優しさが突き刺さるようだ。
だけど、このまま先輩と会話を続けられそうになくて。
「昨日は遠足前の子供みたいに寝れなかったんです。じゃあ、ちょっとだけ目つぶりますね」
こんなので本当に私は言いだせるんだろうか。