初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
案内されたお部屋はガーデンスパスイートで、大した確認もしなかったことを二度後悔。
琉球畳を用いられたモダンな室内とテラスにある温泉も源泉かけかながしだなんて。

「すごい贅沢……」

ため息まじりにそう呟いて、また胸が苦しくなる。

「ん、気にいってくれた?」

そこでハタと気付く。
あの時検索してすぐに見つけたような事言っていたけど、良く考えたら直前にこんないいお部屋が取れるわけがない。もしかしたら先輩はそれ以前から計画を立てていたのかもしれない。

ニコニコと笑顔を作り、私の答えを待っている。

「……いつのまに、こんな素敵な所見つけていてくれたんですか?」

「あ、もうバレた?そういうのはわかんない振りしておくもんだよ、クルミ」

先輩はそう優しく言って私を引き寄せると、頭に頬を寄せ髪に軽くキスをした。
するとすぐにパッと離れて、

「おっと、まずい。こんな時間からイチャイチャする所だった」

急にそんな事を言い出す先輩に驚いてみる。
今までならこのまま甘い雰囲気になって、そういう感じになるんだけど。まぁ今そうなられても困るけど、流されそうな自分もいるし。

「なに?俺だって節操ぐらいあるよ」

私が先輩をじっと見ていると、今度は拗ねたようにそう言う。
先輩の態度はいつもと同じようだけど、ほんの少しだけ何か違う……
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