初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
そっと溜息をついて立ち上がると、部屋の露天風呂に続く扉を開いた。
「さむっ」
寒いはずだ。先ほど降り始めた雪は、またたく間に辺りを真っ白な世界にしていた。
音もなく降り積もり、雪見酒も十分堪能できそうなぐらいになっている。
ハァー
吐く息も白く、露天風呂からも湯気が出ている。
他に誰も居ないかのように、本当に静かでとても素敵な場所。
ここを選んでくれた先輩はどんな気持ちでここを探したんだろう。
「クルミ?」
リビングから先輩の声が聞こえる。振り返るとすぐに扉が開いてひょこっと先輩が顔を出した。
「雪が降ってきたので、見てました」
「風邪、引くよ?」
その言葉と共に、ブランケット越しに後ろから抱きしめられた。
「……、」
いつものように耳に触れるか触れないかぐらいの位置に唇がきて温かな吐息が聞こえる。
私の冷えた耳はその吐息を敏感にとらえて、ピクリと反応した。
「あとで。雪見酒、な?」
一緒に?なんて無理。
だけど、それを叶えるためにここに来てくれたんなら……。
「……はい」
流されてる。
だけど、やっぱり……
先輩のその優しさに溶かされたい自分もいて。
自分でも何が正しいのか、よくわからなくなってきている。
「さむっ」
寒いはずだ。先ほど降り始めた雪は、またたく間に辺りを真っ白な世界にしていた。
音もなく降り積もり、雪見酒も十分堪能できそうなぐらいになっている。
ハァー
吐く息も白く、露天風呂からも湯気が出ている。
他に誰も居ないかのように、本当に静かでとても素敵な場所。
ここを選んでくれた先輩はどんな気持ちでここを探したんだろう。
「クルミ?」
リビングから先輩の声が聞こえる。振り返るとすぐに扉が開いてひょこっと先輩が顔を出した。
「雪が降ってきたので、見てました」
「風邪、引くよ?」
その言葉と共に、ブランケット越しに後ろから抱きしめられた。
「……、」
いつものように耳に触れるか触れないかぐらいの位置に唇がきて温かな吐息が聞こえる。
私の冷えた耳はその吐息を敏感にとらえて、ピクリと反応した。
「あとで。雪見酒、な?」
一緒に?なんて無理。
だけど、それを叶えるためにここに来てくれたんなら……。
「……はい」
流されてる。
だけど、やっぱり……
先輩のその優しさに溶かされたい自分もいて。
自分でも何が正しいのか、よくわからなくなってきている。