初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「え、っと?」

『クルミの家で待ってて』

「なら先輩の家の近くで待ってますよ?きっと私の方が仕事終わるの早いと思うし」

『んーでもな。それじゃ心配だから』

過保護なんじゃないだろうか。
私は十分大人で、もしも雪が降って来たとしても自分で対処できる。
結局こういう所を私が負担に感じてしまって、またあの考えが頭を過る。
黙り込んでしまった私に、

『あーご飯の心配ならデリバリーとかもあるから気にしなくていいよ』

……そういうことじゃない。
私の事わかってるのか、わかってないのか。
先輩の思い描くイメージの私を見て言ってるのか。

きっと言葉の限りでそれを説こうとしても先輩には通じないだろう。
諦めに似た気持ちで、

「じゃあ、待ってますね」

そう言って電話を切ったけど。モヤっとした気持ちは私の中にまた積もっていく。
これが少しずつ増えていくとこの前みたいに決心にいたるわけだけど。いつもそのタイミングでそれをうまく先輩に蹴散らされて、今に至ってる。

だけどきっと、蹴散らされたそれは隅っこにドンドンたまっていって、いつかきっと……

そんな事がないように、こういう考え方の違いって誰にでもあるよね、きっと。
そう言い聞かせて布団に入り、強く目を瞑って強制的に思考を遮った
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