初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
何度も危ないからと言っても全く聞き入れられず、逆に私が説き伏せられた。
通常なら遅い時間でも一時間あれば十分に着くけれど、私でさえいつもの倍かかってるんだから……
「あの、ほんとに気をつけてきてくださいね」
『クルミは暖かくしてイイ子で待ってて』
「……はい」
こんな時ばかりイイ子でいなさいなんて言うけれど、私はいつだって守られて……
やっぱりまた―――。
駅に着いた。その連絡があったのは九時過ぎ。結局二時間近くかかったことになる。
待ち構えていた私は、コートを羽織りそのまま外へと飛び出した。
帰って来た時よりもさらに降り続けていた雪がかなり積もっていて、足元を見ながら慎重に歩いていると前からザクザクと音が聞こえてきた。そのまま顔をあげると、
「クルミっ」
ニット帽の上に雪を積もらせて歩いてきたのは先輩。ちょっとした雪だるまになってる。
「先輩。頭に雪、つもってる」
そんな先輩がちょっとかわいくて、手を伸ばしてそれを掃おうとすると、
「何で家にいないの?」
先輩が少しだけ怒ったような声で言う。
「あ、なんか食べ物とか欲しいかと思って」
「なら電話で言えば買っていくのに」
「でも、ほら。もう来ちゃいましたし、」
「……クルミは変な所遠慮するんだよな」
呆れたようにため息をつきながら言われた
通常なら遅い時間でも一時間あれば十分に着くけれど、私でさえいつもの倍かかってるんだから……
「あの、ほんとに気をつけてきてくださいね」
『クルミは暖かくしてイイ子で待ってて』
「……はい」
こんな時ばかりイイ子でいなさいなんて言うけれど、私はいつだって守られて……
やっぱりまた―――。
駅に着いた。その連絡があったのは九時過ぎ。結局二時間近くかかったことになる。
待ち構えていた私は、コートを羽織りそのまま外へと飛び出した。
帰って来た時よりもさらに降り続けていた雪がかなり積もっていて、足元を見ながら慎重に歩いていると前からザクザクと音が聞こえてきた。そのまま顔をあげると、
「クルミっ」
ニット帽の上に雪を積もらせて歩いてきたのは先輩。ちょっとした雪だるまになってる。
「先輩。頭に雪、つもってる」
そんな先輩がちょっとかわいくて、手を伸ばしてそれを掃おうとすると、
「何で家にいないの?」
先輩が少しだけ怒ったような声で言う。
「あ、なんか食べ物とか欲しいかと思って」
「なら電話で言えば買っていくのに」
「でも、ほら。もう来ちゃいましたし、」
「……クルミは変な所遠慮するんだよな」
呆れたようにため息をつきながら言われた