初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
旅行に行った頃には自分の中で別れも考え、それを口にするつもりで出かけた。
だけど、その話も出来ないまま。もう少しそう言い聞かせてなんとなくやり過ごしてきた。
それなのに、今それを先輩から告げられて。
「無理ってなんですか。そんな事勝手に一人で決めて」
今まで静かに話していた私が急に声を荒げたから驚いた先輩はやっと私を見た。
そんな先輩に続けざまに言う。
「いつだって先輩は先回りして、私のためみたいな顔して、それは先輩の勝手な思いこみかもしれないのに!」
動き出した口は最後まで止まらなかった。
だってお互いに無理だなんて一方的に決めつけて。そんなのおかしい。
言いきった事で冷静になった私は、先輩の顔が少し笑ったように感じて、怪訝な顔でそれを見た。
おかしい事なんて一つも言ってない。笑みがこぼれるようなそんな言葉も態度もない。なのに、なんで?
「はぁー。……クルミ、やっと言った」
大きくため息をつくと、先輩はホッとした様子で呟いた。
言ってしまった。今までずっと思ってた事を、そう反省した矢先のその態度はますます私を混乱させた。
「やっと?って」
そう聞いた私の顔がおかしかったのだろうか。先輩は私の好きな笑顔をやっと見せた。そして、
「クルミ、全然本音言わないから」
「だからってこんなやり方っ…――」
「うん、ごめん。でも、」
でも―――?
だけど、その話も出来ないまま。もう少しそう言い聞かせてなんとなくやり過ごしてきた。
それなのに、今それを先輩から告げられて。
「無理ってなんですか。そんな事勝手に一人で決めて」
今まで静かに話していた私が急に声を荒げたから驚いた先輩はやっと私を見た。
そんな先輩に続けざまに言う。
「いつだって先輩は先回りして、私のためみたいな顔して、それは先輩の勝手な思いこみかもしれないのに!」
動き出した口は最後まで止まらなかった。
だってお互いに無理だなんて一方的に決めつけて。そんなのおかしい。
言いきった事で冷静になった私は、先輩の顔が少し笑ったように感じて、怪訝な顔でそれを見た。
おかしい事なんて一つも言ってない。笑みがこぼれるようなそんな言葉も態度もない。なのに、なんで?
「はぁー。……クルミ、やっと言った」
大きくため息をつくと、先輩はホッとした様子で呟いた。
言ってしまった。今までずっと思ってた事を、そう反省した矢先のその態度はますます私を混乱させた。
「やっと?って」
そう聞いた私の顔がおかしかったのだろうか。先輩は私の好きな笑顔をやっと見せた。そして、
「クルミ、全然本音言わないから」
「だからってこんなやり方っ…――」
「うん、ごめん。でも、」
でも―――?