初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
ノリちゃんと何度か訪れた事のあるバーを選んだはいいけど、考えてみれば男友達とバーに行くなんて事は初めてだ。ノリちゃんの事で相談されるのはわかっているけど、隣との距離の近さと雰囲気の良さになんとも居心地が悪い。それに、木村もあいかわらずいつものお茶らけた調子にならないし。

「木村ー?黙っていられると落ち着かない」

「あぁ、ごめん。そうだよな」

というわりにはまただんまり。今日は木村が話があるっていうから来たのに。これはもう少しずつ話しやすいように聞きだすしかない。

「ねぇ、なんで今日はノリちゃんに内緒なの?」

「あーうん、そうだよな」

少しずつ木村を崩そうと思ったまでは良かったけど、もしかして直球過ぎた?
手元のスマホをいじりながら、落ち着かない様子の木村はやっと決意したように口を開いた。

「クルミはノリカとずっと連絡とってたんだよな?」

「うん。そうだね。連絡が途絶えても半年とかそれぐらいで、ずっと仲良くしてもらってる」

私とノリちゃんのとの付き合いに何か疑問?というか、付き合い止めろとかそう言う?まぁそうではないか。

「……ノリカってオレの前、どんな奴と付き合ってたか知ってる?」

「は?」

知ってたとしても、私が言うべき事じゃない。それにノリちゃんはずっと隠してきたから私も一度もあった事ない。それより、何でこんな事木村が今聞くんだろうか
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