初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
会社の近くにある公園は都内では有名なお花見スポット。
だから当然すごい人で、一度席を離れたら戻るのも困難なほどの混みようだ。さすがに毎年の事だから慣れたけど、新入社員たちは今年もおどおどしている。そんな姿を見て微笑ましく思う私はやっぱり場慣れしてるってことなんだろう。
「クルミせんぱーい」
去年の新入社員だった彼女は学生気分の抜けないまま、何度言っても私を先輩と呼ぶ。
「いいじゃないですかー。胡桃澤さんなんて呼び方、誰の事よんでるのか自分でもわかんなくなっちゃいますもん」
意味不明の理由だけど、そんな彼女はどこか憎めないキャラクターなので仕方なくそれを許してしまう。
その彼女も今年はお酌、飲まされるのから解放されたとばかりに私の隣に座った。そして口を寄せて他の人に聞こえないように言った。
「隣の人たち、なんかイケメンばっかりなんですけど」
会社の飲み会だっていうのに、興味は隣に行ってたらしい。
「合コンじゃないんだから」
「そうですけどー。だってーなんかほらクルミ先輩も見てくださいよ」
そう言われてチラリと振り返ってみたら、なるほどイケメン揃い。だけど同じように会社のお花見のようだった。
「わかるけど、そっちばかり見てると部長拗ねちゃうから」
そう言って窘めて部長の挨拶に耳を傾けた。
だから当然すごい人で、一度席を離れたら戻るのも困難なほどの混みようだ。さすがに毎年の事だから慣れたけど、新入社員たちは今年もおどおどしている。そんな姿を見て微笑ましく思う私はやっぱり場慣れしてるってことなんだろう。
「クルミせんぱーい」
去年の新入社員だった彼女は学生気分の抜けないまま、何度言っても私を先輩と呼ぶ。
「いいじゃないですかー。胡桃澤さんなんて呼び方、誰の事よんでるのか自分でもわかんなくなっちゃいますもん」
意味不明の理由だけど、そんな彼女はどこか憎めないキャラクターなので仕方なくそれを許してしまう。
その彼女も今年はお酌、飲まされるのから解放されたとばかりに私の隣に座った。そして口を寄せて他の人に聞こえないように言った。
「隣の人たち、なんかイケメンばっかりなんですけど」
会社の飲み会だっていうのに、興味は隣に行ってたらしい。
「合コンじゃないんだから」
「そうですけどー。だってーなんかほらクルミ先輩も見てくださいよ」
そう言われてチラリと振り返ってみたら、なるほどイケメン揃い。だけど同じように会社のお花見のようだった。
「わかるけど、そっちばかり見てると部長拗ねちゃうから」
そう言って窘めて部長の挨拶に耳を傾けた。