初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
仲良く帰っていく二人を見送ったあと出たのは小さなため息が一つ。
微笑ましいとか、羨ましいとか、色んな気持ちが渦巻いて。

私は何でうまくいかないんだろう?

本音で向き合おうと、顔色を伺わないようにと、努力したつもりでいたのに、
なのに何故うまくいかなかったんだろう……。

もっと自分にきちんと向き合って、本当の気持ちを伝えていけばよかった?
幻想ばかり追い求めていないで現実を早く見つめればよかった?

思い返してもみても、それが今出来たとしてもやり直せるわけじゃない。

先輩が出張から戻ってくると行っていた頃、連絡してみようか。
離れることを選んだ先輩に納得がいってないのは確か。それに三ヵ月経てば何か変わるかもなんて淡い期待を抱いてないこともない。

ともかく。今は時がたつのを待つしかない。

その間、私も先輩もどう変わるのかはわからない。
何も変わらないかもしれない、だけど聞く耳持たないと行ったあの時の先輩とは違っているかもしれない。

そしたらなにか、わかるかもしれない。
そんな事を思いながら、ライトアップされた桜並木を歩いて家に帰った
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