初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「若い気分って、なんかすっごく自分が年取ってるみたいで……」
「だってその彼女、いくつ?」
「23か24か、」
そうか、愛羅ちゃん。私より四歳も若いんだ。20代前半と後半の女性は見た目だけでなく、恋愛の仕方も相当違う。強気でいけるのなんて25ぐらいまでだ。その先は出会いも付き合いの継続も慎重になる。少し先の未来に見え隠れしてる結婚という文字がチラつくから。
「普通ならそのぐらいの年齢の子たちから煙たがられるのに、さすがクルミだね」
「さすがって」
仕事が出来るノリちゃんに言われるような言葉じゃないと思う。それに後輩に慕われた所で……
「クルミはまた八方美人だとか言うのかもしれないけど。みんなと仲良くなんてなかなかできないよ。だからそれはクルミのいい所だと思うよ?」
30近くになったって今更性格は変われない。だから自分が短所だと思っていた事をこんな風に良い様に捉えてくれるのは正直嬉しい。
「ノリちゃん……」
「なんて顔してんのよ。」
「だって……」
ちょっと泣きそうな私にノリちゃんは
「あのね、クルミ。先輩との事はクルミが悪いわけじゃないの。もちろん先輩もね?頑張ったらどうにかなるもんでもない。ただ、違っただけ。だからクルミはクルミのままでいい」
本当に?それでいいの?