初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

     *****

「ほんじゃ、おつかれさま」

「おつかれっすー」
「おつかれさまです」
「「「おつかれさま~」」」

口々にいってグラスを傾ける。
前回会った時から約一カ月後の今日、約束通りに会っていた。

合コンとかじゃないから、座ったのはお店に着いた順番。
私はユキと待ち合わせてたから、隣はユキでなんとなくほっとしていた。
乾杯した後はとりあえず今日集まった主旨である関東大会の結果の話しを木村が切り出した。

「銀かー」

「おまえらの記録はまだ破られてないな」

「ハハ、なんか微妙ですね、ソレ」

私たちが3年の時に関東大会での記録は金賞。だから結果としては今回の方が下。

「でも、結構レベル高かったですよ?ね、木村?」

「あぁ、うん。俺達よりうまいんじゃないかって結構焦った」

「は?何。おまえら観に行ったの?」

「まぁ……」

なんとも歯切れの悪い返事。理由はわからなくもない。
関東大会は持ち回りで行われていて、今回は確か埼玉だったと思う。遠くはないけど、私なら行かない。てか、面倒。だけど、二人は行ったって言うんだから……
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