初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
席につくと彼はスマホを取り出し、多分もう一人の“彼”と連絡を取っているんだろう。
いっそ仕事が終わらないのならそれでもいいのになんて、往生際の悪い事も思ってみるけど、
「会社出たみたいだから30分ほどで来ると思うけど」
「あ、そうなんだ。」
せっかくのお料理が冷めてしまってから食べるのはいくらなんでもかわいそう。それにさっきカフェで飲み物を飲んだせいか、お腹もそこまですいてはいない。
「そのぐらいなら待ちましょうか?」
「んー。どうせだから来るまで軽いのでもつまんどこうか」
そう言って愛羅ちゃんの彼は先ほどの店員さんをテーブルに呼んだ。
私と愛羅ちゃんはその人に勧められた食前酒を、彼はビールをお願いした。
「イタリアンでビールって……」
ちょっと非難めいたようにいう愛羅ちゃんに、
「俺もそう思ったんだけどさ。この前、イタリアンにも合うビールがあるって教えてくれて」
「ふぅーん、巧くん。こんな素敵なところに誰と来たのかな?」
ビールの非難から今度は浮気の疑いまで掛けられて彼的には散々だ。だけどそれさえもあまり堪えてないようで、
「ここ教えてくれた友達。」
彼は愛羅ちゃんがヤキモチ焼いてるのにさえ気付いていない。大らかというかなんというか。
いっそ仕事が終わらないのならそれでもいいのになんて、往生際の悪い事も思ってみるけど、
「会社出たみたいだから30分ほどで来ると思うけど」
「あ、そうなんだ。」
せっかくのお料理が冷めてしまってから食べるのはいくらなんでもかわいそう。それにさっきカフェで飲み物を飲んだせいか、お腹もそこまですいてはいない。
「そのぐらいなら待ちましょうか?」
「んー。どうせだから来るまで軽いのでもつまんどこうか」
そう言って愛羅ちゃんの彼は先ほどの店員さんをテーブルに呼んだ。
私と愛羅ちゃんはその人に勧められた食前酒を、彼はビールをお願いした。
「イタリアンでビールって……」
ちょっと非難めいたようにいう愛羅ちゃんに、
「俺もそう思ったんだけどさ。この前、イタリアンにも合うビールがあるって教えてくれて」
「ふぅーん、巧くん。こんな素敵なところに誰と来たのかな?」
ビールの非難から今度は浮気の疑いまで掛けられて彼的には散々だ。だけどそれさえもあまり堪えてないようで、
「ここ教えてくれた友達。」
彼は愛羅ちゃんがヤキモチ焼いてるのにさえ気付いていない。大らかというかなんというか。