初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「木村、おまえさー。再会してあの時の気持ちが盛り上がっちゃったんだろ?」
そんな風に木村に詰め寄る外山先輩。
あの時の気持ちって?
「なっ、先輩っ、そういうのこれからジワジワいくんすから、黙っといてくださいよ」
「おまえ、それさ。全部言ってるけどいいの?」
ニヤニヤしながら外山先輩は木村に詰め寄る。
ユキなんて隣でワクワクしながら見守ってるのが丸わかりすぎる。なんだかすっかりあの頃に戻ったみたいな木村はちょっと可愛い。
「あの頃とは違う俺見せようと思ってたのに、全然ダメダメすぎる」
項垂れた木村は手元のビールを煽る。それを見て先輩は、
「あはは、木村それは無理ってもんだよ」
「そうそう、木村は全然変わってないし」
とうとうユキまでそう言いだして、ちょっとハラハラしながら私が見てると
「今更ジワジワ来られても、困るんだよね」
当事者のノリちゃんの突然の言葉に全員で注目する。
もちろん木村もビックリ顔のままノリちゃんを振り返る。
ノリちゃんは中学生の時から辛らつな言葉を吐いてはみんなを驚かせてた。けれど、それは正しい内容だったからみんななんとなくノリちゃんの事認めてたんだけど。
全員の視線が集まった事でノリちゃんは肩をすくめてニヤって笑った。