初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
あれから五カ月経っている。帰ってきていてもおかしくはない。
それに元から行きつけのお店だったのだから……、
私はその場所に立ち止まったまま。声をかける事もお店に入って行くことも出来ない。
頭の中ではぐるぐると色んな思考が浮かんでは消え、せわしなくフル回転しているのに、その場所から動けない。
ドンッ―――
「あ、すみませーん」
持っていた荷物にぶつかった人が謝りの言葉を言いながら遠ざかって行く。
道の真ん中ではないにしても、大きな紙袋を持って突っ立っていたのだから通行の邪魔になったんだろう。
もう一度そのバーの入口を見て、今度は駅に向かって歩き出す。
元気そうだった、よね?
友達と飲みに来るぐらいだから仕事もうまくいったんだよね?
顔は一瞬しか見えなかった。
声も遠かったから聞こえなかった。
だけどあれは間違いなく先輩だったと思う。
私と別れても先輩は普通に生活している。
そんなの当たり前の事なのに、元気そうにしている先輩にホッとする半面、言いようのない気持ちもわいてきて。
あぁダメだ。
やっぱりまだ私は、あの季節に取り残されている。
それに元から行きつけのお店だったのだから……、
私はその場所に立ち止まったまま。声をかける事もお店に入って行くことも出来ない。
頭の中ではぐるぐると色んな思考が浮かんでは消え、せわしなくフル回転しているのに、その場所から動けない。
ドンッ―――
「あ、すみませーん」
持っていた荷物にぶつかった人が謝りの言葉を言いながら遠ざかって行く。
道の真ん中ではないにしても、大きな紙袋を持って突っ立っていたのだから通行の邪魔になったんだろう。
もう一度そのバーの入口を見て、今度は駅に向かって歩き出す。
元気そうだった、よね?
友達と飲みに来るぐらいだから仕事もうまくいったんだよね?
顔は一瞬しか見えなかった。
声も遠かったから聞こえなかった。
だけどあれは間違いなく先輩だったと思う。
私と別れても先輩は普通に生活している。
そんなの当たり前の事なのに、元気そうにしている先輩にホッとする半面、言いようのない気持ちもわいてきて。
あぁダメだ。
やっぱりまだ私は、あの季節に取り残されている。