初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
駅について電車に乗り20分ほどで最寄駅まで着いた。だけどそのまま家に帰りたくなくて、行きつけの店のドアを開ける。金曜のディナータイム。小さなお店の中は混雑していた。
「いらっしゃい、カウンターでよければ空いてるよ」
一人だし、カウンターで十分だ。
「今日は何にする?」
お勧めのボードを指さしながら説明してくれたけど、お腹がすいていたはずなのにどれもピンとこなくて。
「とりあえず、グラスワインと本日のアンティパストを」
ふぅー
いつも来た時には気にならないのに、なぜか今日はカップルばかり。
みんな楽しそうに顔を寄せ合って話をしながら食事を楽しんでる。
男女ペアだからといって全員が恋人同士とは限らないかもしれないけれど。
コトン―――
目の前に置かれたワインを手に取ると「いただきます」と小さく言って一口飲んだ。
冷たく冷やされたそれは、じわっと中から体内に沁み入った。
そう言えば仕事が終わってから何も飲んでいない。夜になったとはいえ外はまだむし暑い。
このまま一気に飲み干してしまいそうになるけど。
「今日のお勧めと合うからゆっくり飲んでよ」
オーナーがすぐに私に声をかけてくれたおかげでそれを思いとどまらせてくれた。
危ない。また調子に乗る所だった。
「いらっしゃい、カウンターでよければ空いてるよ」
一人だし、カウンターで十分だ。
「今日は何にする?」
お勧めのボードを指さしながら説明してくれたけど、お腹がすいていたはずなのにどれもピンとこなくて。
「とりあえず、グラスワインと本日のアンティパストを」
ふぅー
いつも来た時には気にならないのに、なぜか今日はカップルばかり。
みんな楽しそうに顔を寄せ合って話をしながら食事を楽しんでる。
男女ペアだからといって全員が恋人同士とは限らないかもしれないけれど。
コトン―――
目の前に置かれたワインを手に取ると「いただきます」と小さく言って一口飲んだ。
冷たく冷やされたそれは、じわっと中から体内に沁み入った。
そう言えば仕事が終わってから何も飲んでいない。夜になったとはいえ外はまだむし暑い。
このまま一気に飲み干してしまいそうになるけど。
「今日のお勧めと合うからゆっくり飲んでよ」
オーナーがすぐに私に声をかけてくれたおかげでそれを思いとどまらせてくれた。
危ない。また調子に乗る所だった。