初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「そんなひどい顔してた?」

すごい恥ずかしい。
……やっぱり直接会わなくて良かったかも。

「まぁそういう気分の時に一人で酒飲むとロクなことない」

体験談?みたいにしみじみ言う。
そんな相良さんを見ていたら『クルミは男心がわかってない』木村にそう言われた事を思い出す。
こんな時ってどうなんだろうか、彼ならばどう思うんだろうか。

「元気そうで良かったなって思う反面、元気な事にショックを受けたりして。」

自分で言っててバカみたいだと思う。だけどその二つの感情に嘘はない。

「そういうのって割り切れるもんじゃないしな」

そう言ってからグラスをおいて、あきらかに何かを思いながら唇をクッときつく結んだ。

「男の人もそうなのかな?」

「男とか女とかより、その人次第だろうけど」

男心とか女心とかそういうのだけじゃない何か。
少なくともあのまま終わらせたのは私にとっては良くない事だったんだと痛感した。

「……そうだよね」

「なんならとことん付き合うよ?」

「や、お酒はこれ以上は……」

「いやいや、酒じゃなくて話の方な?」

慰めてくれるわけじゃない。かと言って突き放すわけでもない。
微妙というか絶妙とかいうか、だけどそれが今の私を救ってくれる。

自分の恋愛話を男の人にした事はない。けれど、ごく最近知り合った同じ年の彼になら気負わずに話せそうな気がする。それもお酒の力、なのか
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