初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
先輩の想いに追いつこうとかそんなのばかりで。先輩の気持ちを考えた事があったかな?

「クルミちゃん?」

「あ、ごめ」

咄嗟に謝る私。
相良さんはそれを見て苦笑いを浮かべて、

「考え過ぎ」

「え?」

「本当に好きだったら、考える前に行動に出るもんだよ、良くも悪くもな」

それが出来ないのは?

「……そんな事一度もないな……ハハ」

乾いた笑いしかできない。だって本当の事だから。
ノリちゃんに言われた別れても取り乱した事がないとか、木村に言われた男心がわかってないとか、先輩に言われた無理しなくていいとか、ぐるぐるとそんな言葉たちが頭をめぐる。

「あーだからさ、それ。」

それ。って?
相良さんの言葉の意味がわからなくてそのまま凝視する。

「また考えてた、だろ?」

ニッて笑って、自分の空になったワイングラスに注ぎ、それから私のグラスを見る。
慌ててグラスを持って飲み干す。あれ?何で飲み干した?私。条件反射的な?

「取り合えず、まず飲む」

そう言われて素直にグラスを差し出して注いでもらう。

「ほら、乾杯」

言われるがままにグラスを傾けて、口をつける。
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