初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「クルミの友人の小山田と申します」

二階につくと、立ったまま挨拶をするノリちゃん。

「相良です。クルミちゃんとは、友達でいいのかな?」

「へ?」

急に私の方を向いて相良さんがそんな風に聞くから慌てて、

「ごめんなさい、強引に誘っちゃって。」

なんともトンチンカンな答え。

「あー知り合いってことで」

少し困った顔で言いなおした相良さんにノリちゃんは、

「あー相良さん。クルミは驚いただけで否定したわけじゃないんで、気になさらず。クルミも突っ立ってないで、早くっ」

そう、その通り。やっぱり持つべきものはノリちゃん。初対面でも物おじせずにキッチリと話が出来るからすごい。

三人で話をしているとすぐに飲み物が運ばれてきて「え、まだオーダーしてないのに」と聞くと、相良さんがいつのまにかボトルをオーダーしたとの事で驚く。

「じゃ、とりあえず乾杯といきますか」

三人とも同じ年だとわかると、旧友との再会を祝したように乾杯をして飲み始めた。

やっぱり不思議だ。
ノリちゃんとは今日初めて会ったはずなのに、いつのまにか打ち解けてる。
相良さんって、なんか不思議な存在だな。
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