初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
結局ワインを二本ボトルであけ、それでは足りずにノリちゃんと相良さんはまたなんかお酒をオーダーしてた。
私はカプチーノを飲みながらそんな二人を見て、随分と意気投合しているけど木村が見たらヤキモチ焼きそうだなんて考えてた。

「でもそんな近くに住んでるんだったら、クルミが何かあった時に相良さんにお願いすればいいから安心だな」

「ちょっと、そんなこと言ったら相良さんに迷惑でしょ?」

「何言ってんのよ、クルミ。私なんてもっと遠くに引っ越しちゃうんだからすぐにって言っても来れないんだからね?」

そうだ。ノリちゃんは結婚したら木村の実家の近くに住むからうちに来るのに二時間近くかかってしまう。だけど、いくら近くても相良さんはただの知り合いってだけで。

「まぁそうだけど……」

「クルミちゃんは俺に任せて、安心して嫁にいってよ」

俺にまかせてって。何をどんなふうにしたらそんな笑顔で言えるのか。相良さんってそんなセリフ簡単に言うタイプだったんだ。

「じゃ、相良さんに任せた」

「ちょっと、何二人で私を差し置いて契約してんのよ」

「え?!だってクルミが心配だからね?相良さんがいてくれれば安心なのよ」

同じ事、二度言うぐらいノリちゃんは酔ってる。だからここは適当に流しておくのが一番。

「はいはい、わかったから。その時は相良さんにお願いするって」

「よーし、わかったんだったら許す」

そろそろノリちゃんを家に連れて帰る時間か。
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