初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
話の中心は主に大和さん。
共通の知人は彼なのだから、それは当り前なのかもしれないけど。
だけど、なんとも不思議な光景。

「……だから、毎年来てるんだって」

「このイベント知ってた？クルミちゃん」

「え？」

「ビール好きじゃなかったら、知らないかもね」

ビール好き。
そうだ、先輩はアイリッシュバーでビールを飲むぐらい大好きで。だからこの二人がここに来る事は偶然なわけでもなく必然だった。

なのに、すっかり忘れていたのは私の方。
ビールのイベントと言われてピンとこないぐらい私は……

「残念ながら、今年初めて知りました」

「だよねー？」

「でもベルギーのお菓子とか買えるチャンスもあまりないからもっと早く知りたかったかも」

あぁでも、先輩と会うようになったのは、きっとこのイベントの後。たった一年しか経ってないのに、色々と変わってしまった。

「はは、でも来年からは来れるよ」

「そうだね。うん、そうします」

来年。私はどうなってるんだろう。
このイベントに私は誰と来るのだろうか。

そんな事を考えていたら、ふと先輩と視線が合った―――。
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