初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「まぁね、俺はいいんだよ。もう半年も前に別れてるんだしね?」

俺はって言い方が引っかかる。だってそれじゃまるで……

「あの……」

「言っとくけど、あんな終わり方。お互いにとっていいはずなんてないから」

「え?」

「だから外やんのためにも、きちんと終わらせてあげてよ」

振られたのは私の方なのに。こんな言い方って。

「終わったはず、なんですけど……」

「見たらわかるでしょ?ちっとも終わってないから」

さっき感じた事。それは気のせいじゃなかった?

「あの……?」

「外やん、三月からずっとおかしいままでさ。よかったよ、今日クルミちゃんに会えて」

そこでやっと表情を和らげた大和さん。

「良かった、ですか?」

今日ここで会えた事はほんとに良かったの?真意のよくわからない大和さんの顔いろを伺う。

「うん、たぶんクルミちゃんのためにもね」

私のためにも?

「あの、それって?」

「そろそろ帰んないと、色々二人がうるさそうだからね」

「え?」

そう言って大和さんはカウンター越しにスイーツ二種と飲み物をオーダーする。それが二つとも気になってたのだったから少し驚いて、

「戻るよ、クルミちゃん」

結局なんだかよくわからないままに席に戻る事になったけど。

大丈夫?……私。
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