初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「潤季は、これでいいんだよね?」
「おぉ、さんきゅ」
また新しいつまみらしきものを持って戻ってきた大和さん。そんなに誰が食べるのって思っていたら、
「潤季こんなんじゃ足りないよな?」
「ま、あくまで酒のつまみだし、いいんじゃね?」
「だな」
って。もしかしてこのあとまだなんか食べるんですか?
目の前のスイーツを突きながら、チロリと相良さんを見ると
「あぁクルミちゃんはつき合わせないから安心して平気」
「……付き合おうとも思いません」
「はは。俺もソレ、付き合えないからちょうどいいか」
ソレって私の食べてるものを目線で示す。
甘いのが苦手な相良さんと、沢山は飲めない私。お互いさまって事で軽く頷く。
「俺なんてどっちもいけちゃうけど?ね、外やん」
「大和はどれもこれも手つけるだけ」
「言えてる。もしかして、俺って欲張り?」
おどけた様子で言う大和さんはやっぱりこの場を一番盛り上げているように見える。
「クルミは、」
急に先輩が口を開くからその場の空気が一瞬にして緊迫したものになる。
「一緒に飲んでなくても楽しそうだね」
「ぇ」
先輩の言っている意味が理解できなくて言葉がつまる。