初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
男友達と会社帰りに待ち合わせする

「クルミ先輩っ、その後どうですか?相良さんは」

「どうって……」

九月の初めにビールフェスタに行って以来、相良さんには会ってない。

「え?会ってないんですか?」

「うん、九月に入って一度一緒に飲みに行ったけど」

「えー、次の約束は?」

次って?
今度アイリッシュバーに連れていく話はしたけど、場所も渋谷だしわざわざ待ち合わせしていくと言うのも。

「特には……」

「えー!!!何やってるんですかっクルミ先輩」

いやいや、何って言われてもねぇ?

「相良さんって、地方から本社への引き抜きらしいですよ」

「へー、そうなんだ」

「そうなんだ、じゃないですよっ」

「へ?」

愛羅ちゃんは呆れ顔でたたみ込むように続ける。

「あの顔で仕事が出来て、しかも性格も良くて。結婚相手には申し分ないじゃないですかっ。」

結婚相手と言われても、全然ピンとこない。そもそも出会ったばかりの人をそういう対象としては見た事がない。

「そう?」

「はい。まぁ、巧くんには負けますけど。だけど巧くんが言ってました。社内ですっごい人気だって」

そもそも愛羅ちゃんは相良さんを私に紹介しようとして、場をセッティングしたんだった。彼とは普通に意気投合してたからそんなことさえ忘れてた
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