初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「返事、来たみたいですね?」
ニコニコ顔のまま、受信したそれを今すぐ見ろとばかりに言う愛羅ちゃん。
どうもこの所、プライベートでは先輩後輩が逆転しているかのように感じる。だけど、チラリと見えた受信したメールの相手は相良さんだったから。見せていたスマホを手元に寄せて受信トレイを開く。
「【お、いいねー。待ち合わせ七時ぐらいでよければ】……って。」
届いた文章そのままを読み上げる。途端にぱあーっと晴れやかに笑って見せる愛羅ちゃん。
「ほらっ、大丈夫って言ったじゃないですかっ」
その自信の根拠が全く分からなかったけど、それでもたしかに彼女の言うように大丈夫だった。
今日が水曜日で、突然誘った事で当然お断りメールだと思ってたのに、承諾された事に驚いてるのは私だけなのか。
「そう、みたいだね」
「じゃ、金曜日。楽しみですね、あ、そろそろお昼休み終わりますよ。クルミ先輩帰りますよ?」
いつの間にか帰り仕度をし、立ち上がった愛羅ちゃんにノロノロとついていく。
こうして金曜の夜、相良さんと会う約束を取り付けた。まんまと愛羅ちゃんにしてやられた感が否めないが。