初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
満足げに頷かれると、言葉もない。
一年前が無理しているように見えて、今はそうじゃないのならば、きっとそれがいいのかもしれない。

「そう……なんだ?」

「はいっ、絶対そうですっ」

でも、待って。今楽しそうだとすればそれは……。

「あぁ、ほら。あれだよ。同級生的な?気楽さって言うの?」

何故、そんなに疑問形なのか。自分でも理解しがたい。

「はい、そういうのわかります。あ、先に席見てきますね」

いつの間にかお店についていて、席を探しに行ってしまった愛羅ちゃんの後姿を見送り列に並ぶ。

今の話を整理すると、ここ最近の私は、私のままってことで。なお且つ楽しそうだから、それがいいんじゃないかって思うってことで。

……案外自分ではわからないものだ。


「お待たせしました、ご注文を承ります」

「……」

「お客様、ご注文は……?」

「え、あ。はい。」
「あーえっと、私は……」

いつの間にか戻ってきていた愛羅ちゃんが自分の物をオーダーして「クルミ先輩は、これでいいですよね?」と、いつものドリンクを指さす。

そのまま頷くと、愛羅ちゃんがさっと会計を済ませて「いつもご馳走してもらうんで、今日は私が」そう言って受け取り口まで移動した。

愛羅ちゃんてこういう時に上手く対処で来て羨ましい。私もそうなりたいものだ。
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