初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「そうそう、気持ちなんて一つでは言い表せないよ、潤季の言うとおり」

二人に言われて、やっと口を開いた私はポツリポツリと話し始めた。

「もう終わりにしなきゃって思ってました。」

「……うん」

優しく相槌を打つ大和さん。

「もう好きじゃないって思ってたのに、会ったらちょっと複雑で……。あぁでもそれってあの、今までの気持ちとはちょっと違ってて。」

やっぱりいくつ言葉を並べてみてもこの気持ちは言い表せない。困ってしまって、複雑な胸の内を話した事のある相良さんを見た。

「ただ……こういうの全部終わりにしたいんです」

相良さんを見ていたら、その言葉がスッと口から出ていた。
考えるでもなく、心のままに出た言葉。

「ならさ、潤季のした事は無駄じゃなかったのかな」

「無駄って、おまえっ」

「そうじゃん？クルミちゃんの気持ちも聞かないで先走ってさ。もし違う答えだったらかき回しただけっていうね」

「……口が先に出たんだよ」

拗ねたように言う相良さん。それを見て大和さんは笑って答える。

「はは、お前らしいけど」

この二人は本当にお互いをわかりあってる感じがする。

それにしても口が先に出ただなんて。ほんの少しの間に物事についての考え方が相良さんに影響されてたりして？