初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
駅に着くと改札の所で大和さんが待っていてくれた。
相良さんは背が高いからこんな場所で待ち合わせしてもすぐに見つけられるらしい。
「すみません、戻ってきていただいて」
「いや。その方が効率的でしょ?」
大和さんがそう言うと相良さんがポケットからそれを出した。
「これな。」
「あーこれ、外やんのだね」
その言葉にホッと吐息を洩らすと、
「念のため中見るか、かけてみて」
「おっけぃ。」
すぐにポケットから自分のスマホを出して操作すると、相良さんの手の中でフルフルと振動を始めた。
大和:着信中
「ん、大丈夫みたいだね」
「……リョク。」
そのスマホを手渡しながら、何か言いたそうに大和さんを呼ぶ。それに軽く頷いてから、私の方に向き直る。
「クルミちゃんさ。」
「はい」
「これ、俺が見つけた事にしておいてね」
今はもう先輩の番号さえ知らないから言えるはずもない。それにそうしてくれるならもう関わらなくても済む。
「はい」
「じゃ。俺、帰るね、クルミちゃんも気をつけてね」
ヒラヒラと手を振って改札に吸い込まれていった大和さんをそのまま見つめてた。
それにしても先輩が忘れ物なんて……。そういうの一番気にするはずなのに。
でも様子がおかしいって言ってたからウッカリって事もあるのかな。
「クルミちゃん。俺らも帰ろうか」
「あ、うん」
先輩の事。久しぶりに考えてモヤモヤするのは変わらない。だけどチクリとした痛みがなくなったようなそんな気がした。
相良さんは背が高いからこんな場所で待ち合わせしてもすぐに見つけられるらしい。
「すみません、戻ってきていただいて」
「いや。その方が効率的でしょ?」
大和さんがそう言うと相良さんがポケットからそれを出した。
「これな。」
「あーこれ、外やんのだね」
その言葉にホッと吐息を洩らすと、
「念のため中見るか、かけてみて」
「おっけぃ。」
すぐにポケットから自分のスマホを出して操作すると、相良さんの手の中でフルフルと振動を始めた。
大和:着信中
「ん、大丈夫みたいだね」
「……リョク。」
そのスマホを手渡しながら、何か言いたそうに大和さんを呼ぶ。それに軽く頷いてから、私の方に向き直る。
「クルミちゃんさ。」
「はい」
「これ、俺が見つけた事にしておいてね」
今はもう先輩の番号さえ知らないから言えるはずもない。それにそうしてくれるならもう関わらなくても済む。
「はい」
「じゃ。俺、帰るね、クルミちゃんも気をつけてね」
ヒラヒラと手を振って改札に吸い込まれていった大和さんをそのまま見つめてた。
それにしても先輩が忘れ物なんて……。そういうの一番気にするはずなのに。
でも様子がおかしいって言ってたからウッカリって事もあるのかな。
「クルミちゃん。俺らも帰ろうか」
「あ、うん」
先輩の事。久しぶりに考えてモヤモヤするのは変わらない。だけどチクリとした痛みがなくなったようなそんな気がした。