初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
待ち合わせた駅で相良さんはすぐに見つかった。

「あ、ほんとに荷物少ないな」

少し照れたように言う相良さんはちょっと可愛い。

「ノリちゃんが披露宴慣れしてるので、きっとこの形に」

そう言ってから紙袋を少し持ち上げて見せた。それをヒョイっと奪った相良さん。

「ま、そんだけでも持つわ」

ニカって笑って「うわほんと軽っ」なんて呟いてる。
なんだかそんな女の子扱いが妙に照れるけど。ここは素直に「ありがとうございます」とお礼を言う。
何故だろう、相良さんには抵抗なくそれが出来る。

「せっかくきれいな格好してるんだし、紙袋は」


――――ドキン。

いやいや、服装がってことよっ。何反応しちゃってんの、私。
そんな風に慌てると余計鼓動が速くなる。

「あー、場所」

前を歩いてた相良さんが急に立ち止まってくるりと振り向いた。それにも反応して……

「あ、えと。確かメールで来てたはず。ちょっと待って」

そのメールを呼び出し、相良さんに見せる。

「あーここの近くだな」

「でも、いくらなんでも30分以上前から入れないよね?」

快速に乗ったおかげで思っていたよりも早く着いた。仕方がないので近くのカフェで時間まで待つ事にした。
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