初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
先輩に言おうとしていることにそのまま待つ。

「結局ずっと、その話し方のままだね」

話し方?だってこれは、中学の時からだから急には変えられないって……と言いながら半年そのままだったけど。
でもなんで今頃そんな話?

―――ゴトン。

それが隣で相良さんがジョッキを置いた音だと気づいた。

だけど、そこまで鈍い音が立つほど強く置かなくて……も?チラリと隣を見たら、いつのまにかそのジョッキは空になってた。

「ちょ、相良さんペース早過ぎっ」

思わず出た言葉。それを聞き、私を一瞥した後拗ねたように「だってすることねーもん」と呟く。

「ま、いいから、話どうぞ?」

それは先輩に向けられた言葉で。今まで一度も相良さんを見なかった先輩がやっと彼を見る。

「ほんと、キミとは――」
「俺、気が長い方じゃないんで。いつまで黙ってられるかわかんないですよ?」

思った事を口にする彼ならではの言い方で、でもそれは先輩の言葉を遮った事によりこの場の空気が悪い方へと向かっていくのを感じる。そう今だって、またピリッとしてる。

それなのに相良さんは「だから早く話した方がいいんじゃないんですか?」とのんびりした口調で続けた。
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