初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
先輩が怒った所など見た事がない。だけど今は静かに怒りを湛えてる感じでたぶん相良さんが先輩を怒らせたのはこれで二度目。

「クルミも友達は選んだ方がいいよ」

え？そんな風に先輩が言うなんて。私だって子供じゃないし、きちんと相手の事は見てる。それに目の前にいる人に対してそんな言い方はいくらなんでも失礼だ。

「……きちんと選んでるつもりです」

私がそう答えると目を大きく見開いた先輩が「そうなんだ」と言ってさっきまでの勢いがいつの間にかなくなってる。だけどこれが普通に私が知ってる先輩で。

大人だから自分の感情を全部出す事はない。けれど相良さんは先輩の真髄をついた気がして……やっぱり私では先輩の相手は務まらない。

「話ってなんですか？」

最初からこう聞いてれば良かったんだ。

例えこの言葉を言って周りの空気が止まったとしても。いつまでも私はあの時のまま、恋愛時計を止めてるわけにはいかない。

「ゆっくり話してからで――」
「話があると言うから来たんです。先輩がないのなら私から」

私の勢いに圧倒されたのか先輩が目を瞬かせて何か言おうとしてるけど言葉になってない。
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