初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
張り詰めた空気が一気に崩壊した。直後、

「自分から手放しておいて、今更なんなんですかそれ」

顔をあげた相良さんがまっすぐに見据えたのは先輩の方。

低い声で言うそれに感情は込められてない。その言葉に顔をしかめた先輩は、

「部外者は黙っててって言ったはずだよ？」

だけど相良さんはその言葉など気にする様子もなく続ける。先輩の方を見たままで。

「貴方にとってこの半年は何だったんですか？」

「は？」

「少しでも彼女の気持ち、考えたことあるんですか？」

「だから何？キミには関係ないって言ったはずだけど？」

「いつまでも黙っていられるほど、気が長くないって言ったはずですけどね？」

このままじゃどんどんエスカレートして関係ない相良さんが先輩と喧嘩になってしまう。そんなのは間違ってる。そう思ったら「相良さんっ」その言葉を止めるように少し大きな声で相良さんの名前を呼んでた。

「あ？」

それに驚いたのは相良さんだけじゃなくて先輩も。けれど、今止めないといけないから。

「大丈夫。自分で言える……から」

そう、自分の口で言わないと意味はない。
その言葉にハッとしたように席を立ち「ごめ、頭冷やしてくるわ」そう言ってどこかへ行ってしまった。

残されたのは先輩と二人
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