初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「ごめん。ホント未だに付いていけてないんだ」

しみじみ言っているあたり、相当悩んだのだろう。
この年齢になったら付き合う=結婚も視野に入れるのは当然なのかもしれない。

「もしかして、あの日言われたの?」

六人で飲んだあの日。
まだ早い時間に別れたからあれからどこかに行っただろうとは思ってたけど。

「私はさ、付き合えればいいなぐらいにしか思ってなかったんだよね」

「うん」

「それどころか――

『小山田紀夏さん、結婚を前提に付き合ってください』だもん驚くわよ……」

確かに。

「あーでも。何度か会ってたんでしょ?」

「ううん、連絡は何度か取ったけど出かけたのは関東大会だけだよ」

「そう、なんだ」

関東大会に出る事になって、再会して……
あれ?木村にしては段取り良過ぎ。昔から言いだしっぺなわりには面倒な事は誰かに押し付けてたのに。
それが今回は全部木村がしたって言ってた。もしかして全部それもノリちゃんと再会するための壮大な舞台づくりのため?だとしたら、相当な覚悟とかした上でなのかも。

木村、やるときはやるなぁ……

妙に感心してると「クルミはどうなの?」と聞いてきた。

「なにが?」

「あの後、どうなったのよ」
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