初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
始まったモノは
先輩を好きだった頃、自分の想いの半分も伝えられなかった。
そして悩んだり迷ったりを一緒にしたかった。

相手を思ってしたつもりが、自分の保全ばかりで間違ってた。
そしてそれはもうやり直せない。

ゆっくりと言葉を紡いでいくうちに、

「クルミ。俺、」

弱々しい声で下を向いたまま話し始めた先輩に今度は耳を傾ける。

「クルミを閉じ込めておきたかったんだ」

ぽつりと呟かれた言葉。
その言葉の意味がわからなくて先輩の見ていると、視線を感じたのか顔をあげてフッと悲しい微笑みを浮かべた。

「記憶の中に閉じ込めておきたくてね、だけどそんなのはただの言い訳だった」

辛そうに歪む顔。

「ジュンキといるの見たらそんな風に思えなかったってわけか」

先輩の横で小さなため息をつきながら大和さんが言う。そして、

「自分と一緒にいないってことはそう言う事だもんな」

え?そういうことって言ったけど、別に相良さんとは付き合ってるわけじゃない。
それに閉じ込めておくのは記憶の中?

「そんなの間違ってるっ」

「……うん、そうかもね」

私が思わず言った言葉に先輩は小さく頷いた。

「……その、閉じ込めておきたいって気持ちはわかるけどな、」

「何言ってんの、ジュンキ」

「やっぱり向き合うべきだったんだと思うよ、俺は」

「……相良、さん?」

先輩に言っているけれど、どこか遠くを見つめてて。なんか前にこんな風に……

「クルミちゃんも外やんもさ、せっかくいい機会だから本音で話した方がいいよ」

大和さんのその言葉は聞こえているものの、相良さんの態度が気になっていた。
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