初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「疲れた、よな?」
「え?あ、うん、大丈夫」
急に私を気遣うような言葉に驚いて返事をしたけど。疲れてるのかそうでないのかよくわからない。
「朝からなんだから、疲れてんだろ?」
「……まぁそう、なのかな?」
ノリちゃんの披露宴、その後での坂下くんとの会話。そして今のコレ。
体が疲れてると言うか、精神的に?疲れてるのかな?
だけど、このまま家に帰るのもなんか……
「ちょっと飲まない?」
あ、そうか。私、飲みたい気分なんだ。
「うん」
「あーだけど、近くにするか?もっとこうリラックスして飲みたくね?」
顔をクシャっとさせて少年のように笑う相良さんに一瞬ドキッとした。
「あーじゃあうちで飲む?」
「え?」
ドキリとした事を隠すために言った言葉だった。
だけど、こんな事男の人に言うなんて間違ってただろうか。
驚いた顔の相良さんを見ながらそんな風に思いながら、
「あーさすがに家は迷惑よね?」
「いや、あーそうじゃなくて」
そう言って頭をガシガシと掻くようにしてから、
「クルミちゃん家、酒ないだろ?うち、結構今、充実してるから良かったらうち来る?」
「わー、お邪魔してもいいの?」
すごく近くだと聞いていたけど、気になっていた相良さんの家。
手放しで喜んで目的地を決めると私たちは席を立ち、店を後にした。