初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「今日は、ありがと」
「ん?お礼言われるような事なんもしてないけど」
「ううん、今日だけじゃなくてね」
いつも気分が落ちた時、相良さんがご飯や飲みに誘ってくれた。
相良さんにしたら他愛もない事なのかもしれないけれど、なんか今、無性に言いたくなった。
「なんて言うか、やっと色々と解放された感じで。相良さんのお陰かなぁって」
「そっか」
その短い言葉の中にも、ホッとした表情が今は嬉しい。だからつい調子に乗って、
「自分で良くわかってなかったんだけど、貯め込むタイプだったみたいで。色々と助けてもらったなぁって」
「はは、溜め込むこと気づいてなかったんだ?」
「え?」
「あーごめん。」
うっかり言ってしまったとばかりにやたらグラスを見つめる相良さん。
やっぱり今までのこと、わかっていてやってくれてたんだ。そう思ったらなんとも言えない気持ちが胸の中からジワジワと感じた。
グラスに視線を落とした相良さんが急に顔をあげるから、私とバチっと目が合ってしまって。ずっと見ていた事が急に恥ずかしくなって視線をはずそうとした瞬間、
「……俺、思ったことすぐに口にするから。しかもそのまま行動に出すからさ。」
行動に出す?
さっき先輩から庇ってくれたのはとっさの判断?そう思うと彼から視線をはずせなくなった