初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「おつかれさま~」
「おつかれさまでっす」

居酒屋で女二人。可愛らしい色のグラスを合わせる。愛羅ちゃんには珍しいお店のチョイス。
会社の近くという事もあって歓送迎会なんかにも良く利用してるお店。

「珍しいよね、愛羅ちゃんが進んでここ来るの」

「そうですかぁ?ガード下とか何とか横丁なんてところもいけますよ?あぁ立ち飲みだけは勘弁ですけど?」

「そうだったんだ。」

「はい、巧くんがそういう所良く行きますしね」

「愛羅ちゃんて彼とはレストランとか行ってるかと思ってた。」

「まっさかぁ。そんなことしてたら結婚資金貯まらないじゃないですかっ」

結婚資金?!って、えええええ?!
愛羅ちゃんていくつだっけ?23、4?
まぁ私も25ぐらいまでにはなんて考えてた時期もあるから早くはないけど。

「何クルミ先輩無言になってるんですか」

「え?あ、ごめん。結婚とか考えてるんだなぁって」

「ふふふ、意外ですか?」

「や、考えてみたら別にそういうこと考えてもおかしくない年齢だった」

むしろ、私がそういう事に敏感にならなきゃいけない年齢だってと、自分に突っ込んだ後、

「今日は、なんか相談?」

「いいえ、全然っ」

「え?」

「ただ、クルミ先輩のため息の原因が聞きたくて?」

ため息の原因?思い当る事がないとは言わない。けれど本当にそれが原因なのかな?だとしたら私。
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