初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
着いたのは相良さんのマンション。
「帰りは送ってくから」
って、そんな事じゃなくて。
手も繋がれたまま、エレベーターに乗る。
密室と、この距離の近さにまた鼓動が速くなる。
所在無げに見るのは階数に点滅するライトで、ともかく目で追っていく。
早くついて欲しいのか、この空間に居たいのかさえもわからない。
相良さんがエレベーターの中でどこを見てるかなんて確認する事も出来ず、ひたすら点滅するそれを追った。
カタンとエレベーターの止まる音が聞こえ、ドアがするすると開いていく。
瞬間キュッと手に力を入れられ、相良さんの後ろからついていく。
エレベーターを降りると相良さんは一度立ち止まり、私が横に並ぶと又歩き出した。
なんか話して欲しい。
ただ相良さんの家でお酒を飲むだけなのに緊張してしまって自分が変な事言ったりしないか心配で。
いつもみたいに他愛のない話しをしながら、楽しいって思えるだけならこんな緊張なんてしないのに。
さっき自覚した“好き”は、これほどまでに自分を普段通りではいられなくさせる。
久しぶりの自分のその気持ちを持て余し気味なのも十分承知してる。だけど、今は相良さんと少しでも長くいられる事が嬉しい。
―――ガチャ。
相良さんはカバンを小脇に挟むと器用に片手でそのまま鍵を開けた。
「帰りは送ってくから」
って、そんな事じゃなくて。
手も繋がれたまま、エレベーターに乗る。
密室と、この距離の近さにまた鼓動が速くなる。
所在無げに見るのは階数に点滅するライトで、ともかく目で追っていく。
早くついて欲しいのか、この空間に居たいのかさえもわからない。
相良さんがエレベーターの中でどこを見てるかなんて確認する事も出来ず、ひたすら点滅するそれを追った。
カタンとエレベーターの止まる音が聞こえ、ドアがするすると開いていく。
瞬間キュッと手に力を入れられ、相良さんの後ろからついていく。
エレベーターを降りると相良さんは一度立ち止まり、私が横に並ぶと又歩き出した。
なんか話して欲しい。
ただ相良さんの家でお酒を飲むだけなのに緊張してしまって自分が変な事言ったりしないか心配で。
いつもみたいに他愛のない話しをしながら、楽しいって思えるだけならこんな緊張なんてしないのに。
さっき自覚した“好き”は、これほどまでに自分を普段通りではいられなくさせる。
久しぶりの自分のその気持ちを持て余し気味なのも十分承知してる。だけど、今は相良さんと少しでも長くいられる事が嬉しい。
―――ガチャ。
相良さんはカバンを小脇に挟むと器用に片手でそのまま鍵を開けた。