初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
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「ほんとですかっ、クルミ先輩っ」
目の前でキラキラと瞳を輝かせているのは愛羅ちゃん。
一番に伝えなきゃいけないのは彼女だと思った。だからランチに誘って、それが運ばれてくる間に話し始めたところ。ちょっと照れてしまって目を伏せて返事をした。
「……うん」
「もうっ私、余計な事ばっかり……。ほっんと、すごく反省してて。」
そんなことない。
愛羅ちゃんが色々してくれたおかげで、私も気付けば相良さんのこと好きになっていた。相良さんがどの時点でそんな風に思ってくれたのはわからないけれど。
「だから色々とありがとうって言いたくて」
「……クルミせんぱ~い。私っ、泣きそうです」
そう言ってほんとに涙を浮かべてる愛羅ちゃん。さすがに明るいこの時間に泣かれると困る。
「や、泣かないで。ほんとに。そうだっ!夜!夜ご飯奢るからっ」
「え?!ほんとですか?!だったら~最近近くにできたぁあそこのタイ料理行きたいですっ」
慌てて言った言葉に絶大な効果ありだったらしい。
その後は届いたランチプレートを平らげてニコニコとしたままコーヒーを飲む。さっきの浮かんでた涙は演技だったのかと思えるぐらい。
でも愛羅ちゃんが喜んでくれたから、いいか。